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DINING BAR ことことことぶき

bunkyo blancを改修している日々、1Fは一体何になるのか誰一人具体的には考えていなかった。日々、建物の外まで使いながらリノベーションをしていたからか、地域の方からは頻繁に声をかけていただく。「ここは何になるの?」「いつごろオープンするの?」そういったやり取りと回答はテンプレートになっていたがある日通りの商店会長の方からこんな声が。

「同級生がやっていた近所のお店が閉まるから、そこにあるもの必要なら持っていく?」

 

なんともありがたい!早速大家と駆けつけると2フロアを回せるくらいの立派な飲食店の業務用什器が!

そこで必然的にそして消極的に1Fが何になるかが決まった。飲食店だ。

私豊田、全国で料理人としてケータリングをしていたわけだがまさか飲食店の什器が手に入ってしまうとは、、、お店を自分でやる日が来るとは思ってもいなかったがまたとないチャンスだった。

 

実は料理人とひとくちで言ってもケータリングとお店を構えることは逆方向のベクトルだと思っている。ケータリングだと、作るべき相手の人数もわかる、日にち時間もわかる、受ける食材・メニューも事前にリサーチ可能だし予算も見えているので必ず一定の利幅を計算して出せる。一方で飲食店はいつ誰が何時に来てどんなものを食べたいというのかもわからない。一方で仕入れ・仕込みはケータリングと同じく事前にしなくてはいけないから利幅も計算できない。

絶対ケータリングのほうがいいなぁなんて思っていたわけだがまさかこんなことでお店を構えるとは。。。

 

だが、はじめてみて本当に良かったと思う。はじめなければまさか2年後には店長になってくれるスタッフとの出会いなどなかっただろう。その他にもお店を通じて様々な出会いや仕事が来た。風来坊のように全国をウロウロしながら生きていた生活を週5日決まった時間に同じところにいるところまで慣れるまでは大変だったが今となればそれもまた良かった。

 

やはりケータリングは予め予測ができるが一方でお店は予想ができないからこそ面白い。これからもそんな偶然の楽しさにふれる人が増えるよういろんなお店作りに関わりたいと思う。

date 2019.1-
client 自社運営
location 東京都文京区
Bunkyo, Tokyo