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東尋坊再整備事業 ブランチA-1棟(仮称) 基本・実施設計

福井県坂井市の観光名所である東尋坊。その再整備計画に伴い新築される観光案内所の設計である。

東尋坊の新しい観光案内所となるA-1 棟は、駐車場から大階段を上がる新しいアプローチを通って、広場とともに最初に正面に見えてくる建物である。ここが、誰もが使えるパブリックスペースとして末長く活用されるように、次のような性格を持つ場所として計画した。

1.東尋坊をぐるっと周遊する楽しみを最初に予感させる建物

2.サービスとしての観光案内所だけでなく、「まち」としての東尋坊の魅力を実際につくる場所であり、伝える場所

円形の建物形状には、既存商店街と新規の商店街をつなげること、周遊のはじまりの意味が込められている。また、庇が傘のように大きく張り出した形状は、建物がまちに向かって開かれていることを示すと同時に、訪れた人を軒下に招くような空間をつくることを意図している。

訪問客に向けて情報やサービスを提供する、という従来の観光案内所のあり方に加えて、東尋坊の商店街の人々や坂井市の地元の人々、訪問者がフラットに使えるような「まちづくり拠点」としてのあり方を担う建築として計画している。東尋坊の自然や土地が持つ魅力とは異なる観点で、人、商い、観光など「まち」としての東尋坊の歴史やリニューアルの魅力を伝えられるような展示・資料を設置する。訪れた人が休憩できる待合所でもあり、時にはマルシェやシンポジウム、市民企画の開催も気軽にできるよう、可動式の什器を計画している。